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まさかの発症 ポストポリオ症候群
匿名
私は昭和26年生まれで現在74歳です。
ポリオに罹患したのは3歳、右腕に障害が残りました。
右腕の力が弱いことで、不便さはありながらも、普通に過ごして来ました。「普通に過ごすこと」がポストポリオ症候群を発症、重症化することなど露知らず、「頑張って(細い右腕にはかなりの負荷がかかっていたが)」生きてきました。
ポリオに罹患したことは過去のことで、ポストポリオ症候群について何も知らないのですから、当然といえば当然です。
ところが、56歳の半ば頃から右腕が徐々に上がらなくなり、暫くして箸が使えなくなりました。力仕事が過ぎたのかと思い、できるだけ無理をせず、暫く様子を見ていました。ところが、右腕以外にも体のあちらこちらに痛みや、こむら返りなどの症状が出てきたのです。
この時、過去の病気であるはずの「ポリオが原因なのか」と漠然と思いはしましたが、どうしたら良いのかも分かりません。不安を抱えるそんな中、体調を崩し内科を受診した時、幼少時にポリオに罹患したこと、そして現在の状況、症状を話したところ、神戸大学医学部附属病院神経内科に先輩の先生がいるからと紹介状を書いてくれました。
わらをもつかむ思いで受診、身体状況及びこれまでの生活状況を詳しく話しました。
先生からは「相当無理をしてきましたね。」と言われ、「ポストポリオ症候群です」と告げられたのです。やはりポリオが原因だったのか。障害はあっても、「障害者」と思ってなかった(思いたくなかった)のですから、まさに青天の霹靂でした。
握力や可動域などの検査をした後、右肩、右腕の筋電図をとりましたが、酷く痛かったのを覚えています。
しかしながら、検査の結果、原因がはっきり分かり、その後の生活対応も分かったので、先ずは良かったと思います。
症状の詳細については、障害厚生年金受給申請時に記載したものが下記で、広範囲にわたっています。
「歩く、走る、上る、下りる」
・歩行速度が半減した。
・身体全体が疲れる。
・両足の腿や膝が中心に痛む。
・両腰から、特に上両臀部が痛み疲れる。
・坂道は途中で足が動かなくなる。
・足裏に痛みを感じる。
・右足の甲が、かなり冷たく感じることがある。
・何もないところでつまずき、転倒しそうになる。
・階段の上り下りは手すりを使用。
・階段を下りるときは、左足の膝の弾力がなく、突っ張るので怖い。
・できるだけエレベーター、エスカレーターを利用する。
・走ることはできない。
「 座る」
・あぐらをかいているとき、急にこむら返りになる。
・あぐらは5分程度が限度になった。
・あぐら後、座椅子にもたれ足を前に出し、痛みを取らなければならない。
・業務で椅子に座っているとき、腰や背中に負担を感じ、直ぐに疲れる。
「立つ」
・立った状態では、左右の足のバランスが悪く、直ぐに疲れる。
・10分くらいの朝礼がきつい。
「起き上がる」
・起き上がりがきつい。
・腹筋が弱く、左腕しか使えないので起き辛く、左腕の負担も大きくなった。
・起き上がりで左肘をつくとき、左肘がちりちりと痛む。
「食事」
・右腕が直ぐ疲れるので、箸以外は左手を使う。
・箸の場合は左腕を添えて食事しなければならない。
・右腕が前に伸びないので、ものを取れない。
・右腕でコップは持てない。
・左手でも缶飲料のふたを開けることが困難になった。
「風呂・洗面」
・洗うことが困難になってきた。
・左半身が洗いにくい
・背中を洗うこともきつい。
・浴槽から出ることが辛い。
「着替え」
・ズボン等、立ったまま脱ぎ着ができない。
・シャツのボタンが留めにくく、固いものはできない。
・靴下の脱ぎ着がしづらい。
「排便」
・腕が後ろに回りにくく(こむら返りになりそうな状況)、指先の力も弱くなり時間がかかる。
「書く」
・ごく短時間のみ可能。
・疲れている時や、突然の指先のこむら返りの時は不可能。
「パソコン、電卓(特に仕事上)」
・左手のみ可能だが、最近直ぐに疲れ、持続処理ができなくなった。
・処理時、左腕全体が極度に疲れ、しばらく休憩しなければならない。
「その他」
・電球の取り換えや、高いところのものをとることができない。
・料理で切る、混ぜるなどが困難。
・重いものが持てない。
・車のバック運転で後ろを見るとき、胸部にこむら返りが起こり、静まるまでできない。
以上が初期段階の障害ですが、ポストポリオ症候群と診断されてから17年後の現在は、驚くほど両足の衰弱が酷く、使える左腕の状態も相当悪くなっています。体全体が、年々悪化の一途をたどっています。今では階段の上り下りや、緩やかな坂道の上り下りもできません。床に座ると起き上がりができません。ベッドや椅子でなければ生活できません。
細い右腕を必死に隠し続けた人生に、思いもよらぬ二次障害で、更に苦しむことになるとは。
残された神経は失うと戻らない。この恐ろしい現実を直視して、「必要以上に頑張らない」を徹底する意識が、更に必要であると実感しています。
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